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| HOME | 2007.07.26 Thu『花宵道中』
江戸の花街・吉原の小見世で逞しく生きる遊女たちの生き様、 そして彼女たちの決して叶わぬ一途な恋が丹念に描かれる五篇の連作短編集。 何よりもまず圧巻なのはその構成の緻密さ。 女郎・朝霧の恋の結末を描いた表題作「花宵道中」、 朝霧の姉女郎にあたる霧里と実弟の生い立ちを明かす「青花牡丹」。 そして朝霧が育てた妹女郎・八津の恋を綴った「十六夜時雨」 といった具合に、代々の遊女たちのドラマが交互に続き、息つく暇もなく魅せられます。 朝霧の恋の転機となった事件の真相が「青花牡丹」で明かされるといった仕掛けも実に見事です。 実はこの表題作は 「女による女のためのR-18文学賞」の大賞受賞作。 それだけに官能的で淫靡な場面ももちろんあるけれど、性描写のくどさはありません。 身体ひとつで生き抜く術として客に施す行為も、 真剣に愛した人と結ばれて交わる行為も、彼女たちにとってどちらも嘘ではなく、 その刹那に溢れる悦びや哀しみがエロチシズムよりも先に胸に迫ってくるから。 吉原の花たちは、恋に落ちてしまったその瞬間に散ることを覚悟します。 愛のために死ぬことを選ぶ者、生き抜くことを選ぶ者、 どちらも強い思いがみなぎっていて美しい。 愛する人に抱かれながらも“縋ってしまうから、優しくしないで”と願う遊女の切なさが ずっしりと胸に染みてくる秀作でした。 (2007年7月26日読了/☆4.5)
テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌 ≪『空飛ぶタイヤ』 | Home | 『ミミズクと夜の王』≫ Comment
Posted by まーすけ
R-18に釣られて読んでみた私ですが・・(笑)
期待以上に素晴らしかった!!そして美しかった。 文章もとても読みやすいのに軽くないし、すごく上手だよね〜 私より3つも年下の女子が書いたなんて、それも驚愕でした。 どの話もそれぞれ切なくて、胸がキュンキュン鳴りっぱなしだったけど、題名になってる花宵道中の朝霧の恋が、1番印象的でした。 なんだかすっかりこの時代の遊郭に興味を持ってしまって、もっといろいろ知りたくなってしまったよ。 (安野モヨコのさくらんも読んでみようかと・・) マンガや本の映像化って基本的に好きじゃないけど、これは読んでる最中にも映像がバシバシ浮かんじゃって、実写もみて見たい!!と思いました。 いつもながら、素敵な本をありがとうね!!
2007.09.26 Wed 16:34 URL [ Edit ]
Posted by ぴのこよりお返事
★まーたんへ
お返事が遅くて本当にゴメンナサイ (1ヶ月近く経っちゃった・・・)
この作品、良かったよねぇ! 難しくい時代背景だけど、描写がすごく分かりやすくて文章も読みやすいし、 エピソードも女性なら誰しも「ああ」とため息を漏らさずにいられないというか。 愛されること、結ばれるの難しさが溢れてて、胸が苦しくなりました。 この作品、実写化されたら綺麗だろうねぇ。 「さくらん」は私も気になってマス☆読んだら感想を教えてね〜。 TrackBack
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