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2007.01.12 Fri
『チョコレートコスモス』
舞台を観るのが好きだ → YES
漫画「ガラスの仮面」が好きだ → YES
両方「YES」なら是非この作品を読むべし!ハマること間違いなしです☆

チョコレートコスモス
恩田 陸
毎日新聞社

あらすじ:
幼い時から舞台に立ち、多大な人気と評価を手にしている若きベテラン・東響子は、
奇妙な焦りと予感に揺れていた。
伝説の映画プロデューサー・芹澤泰次郎が手がける芝居のオーディションが
近々大々的に行われるらしいという噂を耳にしたからだった。
同じ頃、旗揚げもしていない無名の学生劇団に、ひとりの少女が入団した。
舞台経験などひとつもない彼女だったが、その天才的な演技は
次第に周囲を圧倒してゆく。少女の名は佐々木飛鳥。
演じる者だけが見ることのできるおそるべき世界が、いま目前にあらわれる!


漫画『ガラスの仮面』へのオマージュとも言える作品。
著者ご自身もそう公言しておられるとか。

本能のままに模倣することで演技を開拓し
見る者をアっと言わせる天才ぶりを見せつける飛鳥、
環境にも美貌にも才能にも恵まれながら、それに甘んじることなく
常に自分を客観的に分析し、努力と経験を重ねる響子。
その構図はまさしく『ガラスの仮面』におけるマヤと亜弓。

ただし、漫画では彼女たちの表情や仕草を“画”という手段で
描ききることができますが
小説においては活字で伝えるしかありません。

しかしそこはさすがに恩田陸。
舞台を見守る人々(脚本家や大学の先輩)がその演技に揺れ動かされる様を通じて
「やっぱりこの2人って凄いのね!?」
と読者に思わせることに成功しています。
作中の言葉を借りるならば
―舞台の上で起きている世界を信じ、舞台の上で役者が演じていることを信じる演技―
を知らぬ間にさせられている観客になったような、そんな臨場感なのです。

ただひとつ、残念だったことを挙げるとするならば
佐々木飛鳥の人間性(主観)には一切踏み込まれておらず
感情移入するのが難しかったということ。
それは「自分がない」と称される飛鳥ゆえの意図的なものだとしても
東響子の苦悩や嫉妬や情熱が細やかに描かれていた分、余計にそう感じたのかもしれません。

そしてストーリーの後半は、女優たちが火花を散らすオーディションに占められます。
どちらが勝っているかということよりも
―舞台上の奥の暗がり、その先に広がっている世界―
選ばれた者だけが体感できるその世界に、天才がいかに辿り着くか・・・
そこをクライマックスとしています。

つまり“チョコレートコスモス”は、『ガラスの仮面』における“紅天女”。
オーディションはもうたっぷり観たのです!
無理難題をやり遂げる2人の素晴らしさはもう存分に知っているのです!!
で、その後はーっっっ?

恩田さん、そして美内すずえさん(「ガラスの仮面」作者)に
強く続編を願いたい!!
読み終えた後はそんな気分になりました。
(「ガラスの仮面」はまだ完結してないんですけどね。一体次巻はいつになるんだ!?)

(2007年1月11日読了/☆4)
 

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌
◆「ア」行の作者→恩田陸    Comment(2)   TrackBack(1)   Top↑

Comment
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2007.01.14 Sun 13:05 [ Edit ]
Posted by ぴのこよりお返事
鍵コメさんへ
ご訪問&コメントありがとうございます♪
贔屓の俳優さんまで存じてくれてるなんて!!とってもとーっても嬉しかったです。
私は地方住まいなので、観劇は宝塚も含めると
年に4,5回行ければいい方、といった感じですが(涙)
観るのはとっても好きです。同じ場所にいながら別の世界を堪能できるってスゴイですよね。
会社にミュージカル観劇が趣味、という心強い先輩がいるので
今年はもっと遠征してでも観に行けるといいな〜と思っています。
オススメの作品があったら(記事に全然関係なくてもいいので:笑)
コメントで教えていただけたりなんかすると嬉しいです!
2007.01.16 Tue 14:33 URL [ Edit ]

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ガラスの仮面『ガラスの仮面』(ガラスのかめん)は、美内すずえによる少女漫画。「花とゆめ」(白泉社)に1976年1号から連載されているが、近年は休載が多い。2004年12月に、約6年ぶりに最新刊が発売された。略称は「ガラカメ」。演技の天才少女が花開き、才能を伸ばしてい
このマンガが読みたい! 2007.10.15 Mon 19:10

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