私の本棚。読了本の感想等をぼちぼち綴ってマス♪
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「 2006年11月 」 の記事一覧
2006.11.29 Wed
『終末のフール』
小惑星があと8年後に地球に衝突する。人類が滅亡する。
ありがちなハリウッド映画のストーリーでも、誰やらの大予言とかでもなく、
本当に紛れもない事実としてその日がやってくると知らされたとしたら、
私は、あなたは、そして世界中の人々は、一体どうするだろう?

終末のフール
終末のフール
posted with amazlet on 07.01.12
伊坂 幸太郎
集英社


あらすじ:
2×××年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。
犯罪がはびこり、秩序は崩壊した混乱の中。
仙台市北部の団地に住む人々は、いかにそれぞれの人生を送るのか?


私が、一つ一つの短編に共通していると感じたのは
「許したい」あるいは「許されたい」と願う心。 
悲現実的で恐ろしく失望的な設定なのに、
この本が穏やかで軽やかなのは、
そこに一貫して「許す」という思いが綴られているからかもしれません。
また、伊坂作品には必ず盛り込んである、各編の登場人物どうしのリンク
(「あっ。さっきの章に出てきた○○さんが通りかかった!」みたいなの)も楽しいです。

個人的にオススメのお話はこちら。
「太陽のシール」 
  ずっと子供を望んでいた夫婦が、その事実すらすっかり忘れていた時
  新しい命を授かる。
  生まれても3年しか生きられない我が子を産むべき否か。
「鋼鉄のウール」
  鬱状態の両親と共に暮らし、絶望し、許すことのできない少年。
  子供の頃に通っていたキックボクシングジムで、
  当時と変わらずトレーニングを続ける男と出会い、自分に立ち向かう。
「演劇のオール」
  家族を失った女優志望の女性。
  他人が失った大切な誰か(母であったり、姉であったり、恋人であったり)を演じるうちに
  本当の結びつきについて考え始める。

  
そして中でも特に印象に残ったのが
「鋼鉄のウール」に登場するキックボクサーが発したこの言葉でした。

「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」
「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」


ズシーンときました。
当たり前のように、人生はあとン十年も続くものと思ってて
今日と明日なんてほとんど変わり映えしないと思い込んでて
だから、それなりにしか生きられていない・・・のか、私は・・・と。
私は弱いけど、弱くてズルズル流されてしまうけど
でもちゃんと覚えておかなくちゃダメなんです。こういう気持ちを。

他にも「ハッ」とさせられるような、いい言葉がたくさんありました。
(今、手元に本がないので、ちゃんと紹介できないのが残念なくらい)
まっすぐ向き合って読んでみてほしい、そんな本です。

(2006年11月26日読了/☆4)
 
【余談】
伊坂幸太郎さんの本はすべて持っていて、大好きな作家さんなのですが
私はこの本を半年以上も放置してしまっていました。情けない。

だからと言って、この本になかなか興味が湧かなかったわけじゃないんです。
この本は(ハードカバーでは)伊坂さんの最新作。
ということは、“これを読み終える”=“伊坂作品の未読が残ってない”状態になる、ということ。
それで「読んでしまうのが惜しい」気がしてしまったのです。おバカ・・・

ところが。
映画化もされた『陽気なギャングが地球を回す』の続編
『陽気なギャングの日常と衝撃』が6月に発売されていたことを、
なんと私はつい最近知りました。
文芸書の新刊コーナーばかりうろついていたので、
ライトノベルはノーチェックだった!なんてこった!!

ってことで、“伊坂作品の未読”が1冊手元にあります。
これで安心。ホクホクです(笑)
早く読みたいけど、図書館の予約本が一気にやってきそうので先にそっちかな。
  

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌
◆「ア」行の作者→伊坂幸太郎    Comment(2)   TrackBack(0)   Top↑

2006.11.11 Sat
映画 『フラガール』
今日は映画を観て参りました。

20061010_190330.jpg

いや〜思いのほか泣きました。泣いて、心がスッキリしました。
「良い作品」だと思います。

あらすじ:
昭和40年、本州最大の炭鉱・常磐炭鉱では大幅な人員削減が迫り、
かつての基幹産業としての隆盛は見る影もなくなっていた。
そんな町を救うため、この北国に“楽園ハワイ”を作り上げるという
起死回生の一大プロジェクトが持ち上がる。目玉はフラダンスショー。
盆踊りしか知らない炭鉱の娘たち(蒼井優、他)にフラダンスを教えるため、
東京からダンス教師が呼び寄せられた。
元花形ダンサーで気位の高いその女性(松雪泰子)は、
炭鉱や素人の炭鉱娘たちを馬鹿にするが、
やがて少女たちのひたむきな熱意に、忘れかけていた情熱を再燃させる。
ひとりひとり厳しい現実を抱えながらも、炭鉱娘たちは友情を支えに
強く美しいフラダンスの真髄を体の中に染み込ませていく。そして―。
常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)の誕生を支えた人々の
奇跡の実話、感動の映画化!


何が凄かったって、まず特筆すべきは
松雪泰子さんと蒼井優さんのフラダンス!!
お2人とも、ものすごく様になっていて、しなやかで、素敵だったぁ〜。
どれだけの特訓を積めばあんなに踊れるようになるんだろう。本当に感服でした。
劇中の松雪さんのレトロなメイクやファッションもお洒落でカッコ良かった☆
見事に再現された炭鉱の枯れた景色や町の人々の素朴さとギャップがあって。

ストーリーの展開としては、ベタなんですよ。
保守的な炭鉱の人々に、最初はまったく受け入れられなかった
ハワイアンセンター、フラダンス、そしてまどか先生(松雪さん)だけど
様々なアクシデントや苦境を乗り越え、それぞれが変化し、結束していく。
ある意味想像どおりなので、映画としての意外性は乏しいです。
でもだからこそ、すーっと浸れるし、泣けるのかも。

結局、映画ってこれでいいんじゃないかと思ったのです。
観ている人が、笑えたり、ホロっと泣けたり、元気になったり。
別に大きな仕掛けがなくたって、「観てよかったな」と思えるかどうかなんですよね。


フラガールの一員で、南海キャンディーズのしずちゃんが出ているんですけど
彼女のインパクトや雰囲気で笑わせてくれる場面もありましたし、
舞台となっている福島の強烈な訛りがアクセントになっていて、それも上手く笑いに作用してた。
(トヨエツさんよりも蒼井優ちゃんの福島弁の方が断然上手かった!と私は思った)

あと、ベテラン俳優陣がグっと映画を引き締めてました。
ハワイアンセンター創設とフラガールのお世話に奔放する役の岸辺一徳さんの台詞回し。
ダンサーになりたいという娘(優ちゃん)に猛反対し、
炭鉱の仕事に誇りを持った、強く厳しい母を熱演していた富司純子さんの存在感。
特に、富司さんは私の中で上品な役のイメージしかなかったので、すごい底力を見た感じで。

ジェイク・シマブクロさんが手掛けた音楽も心地よくて
ちょっとサントラを聴いてみたくなってしまいました〜。
そして私もフラダンスを習いたい〜!踊ってみたい〜!!
と思ってしまいました。(超単純

そう。でも映画ってこれでいいんですよね。きっと。
 

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
◆私的シネマNavi    Comment(3)   TrackBack(0)   Top↑

2006.11.06 Mon
『チーム・バチスタの栄光』
『キャラ立ち小説』という言葉があるらしいです。
登場人物の個性がはっきりと色分けされている小説、のことを指すそうで
その意味でいけば、この小説はまさにソレです!



あらすじ:
東城大学医学部付属病院は、米国の心臓専門病院から
心臓移植の権威、桐生恭一を招聘し
心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門の、通称“チーム・バチスタ”を構築。
成功率100%を誇り、その勇名を轟かせていた。
ところが、3例立て続けに術中死が発生。
原因不明の術中死と、メディアの注目を集める手術が重なる事態に
危機感を抱いた病院長・高階は、
神経内科教室の万年講師・田口公平と厚生労働省の変人役人・白鳥圭輔に調査を依頼する。
壊滅寸前の大学病院の現状。医療現場の危機的状況。
そしてチーム・バチスタ・メンバーの相克と因縁。
医療過誤か、殺人か。遺体は何を語るのか―。
栄光のチーム・バチスタの裏側に隠されたもう一つの顔とは―。
第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。


ストーリーの語り部は、調査役・田口公平。
彼の視点(1人称)でテンポよく進められます。
序盤は田口による聴き取りファイルという形式が取られ
チーム・バチスタメンバーの個々の役割や思惑、相関関係が把握しやすく読みやすいです。
ただ、それは実は表面的なものにすぎず、
その後、田口が実際に術中死を目の当たりにしたことを契機に第2部へと突入。
ここからいきなり登場するのが、もう1人の調査役・白鳥圭輔です。

田口目線での描写は後半も変わらないまま
白鳥の超がつくほど個性的なキャラクターの前に、振り回され役になっていきます。
彼の滅茶苦茶な挙動、支離滅裂かつ腹立たしくなるような台詞まわし、
そして真相を手繰り寄せる嗅覚・・・
これらがストーリ―のテンポを一気に押し上げ、前半の田口ファイルとの対比が面白いです。

印象的だったのが
「パッシヴ・フェーズ(受動的)」と「アクティヴ・フェーズ(能動的)」
という考え方。
相手の言葉にひたすら耳を傾け、心理を読影する田口のやり方が前者、
独自の理論を展開し(時に相手を怒らせ)、本性を引き出してたたみかける白鳥が後者。
(ドラマで言えば、古畑任三郎なんてまさに「アクティヴ・フェーズ」の巧者ですね)

無論、事件を解明するのは白鳥の存在であって
他の方のレビュー等を読んでも、白鳥圭輔というキャラクターへの賞賛が多いのだけれど
私は個人的に田口のキャラが好き。
派手より地味、攻めるよる受ける、な感じの男性が好きなので(笑)
あと、チーム・バチスタの中心・桐生恭一の存在感も捨てがたいです。

ただし、ミステリー小説としてどうかというと、ちょっと評価が難しいかもしれない・・・。
医療という特殊分野が題材なだけに、素人にはトリックの判別がしにくいし、
読み進めていて引っ掛かる部分がズバリ直結・・・という印象だから。
(私の場合は2者のどちらか・・・と思っていたが、最後はやはりという感じでした)
あと、登場人物全員が明らかに「喋りすぎ」(特に後半)な感じも否めません。
もう少し謎めいていても良かったかも?

しかしそれを差し引いても、第3部の後味の良さも含めて存分に楽しむことができた1冊。
著者が現役の医師であるだけに、複雑な大学医学部の内情もリアリティがあって
素直に「おもしろかった!」と言えます。
田口&白鳥コンビの続編シリーズも既刊されているので、そちらも読んでみようと思っています!

(2006年11月5日読了/☆4)
 

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌
◆「カ」行の作者→海堂尊    Comment(2)   TrackBack(1)   Top↑

2006.11.04 Sat
このブログのこと。
小学生の頃からずっと、読書が好きです。

今までたくさんの本を読んできたのですが、
その感想を綴るということはほとんどしておらず・・・。

自分の心に残ったものを振り返るためにも
最新のものも再読のものも総括して
感想をまとめる場を持ちたいと思い、ブログを開設してみました。

基本的に
■ 未読の方がガッカリしてしまうようなネタバレはしない
■ 著者に敬意を払う気持ちを忘れず、批判オンリーにはしない

ということを気に掛けながら、書いていくつもりです。

同じ本を読まれた方からのご感想や
私の感想に対するご意見も大歓迎です♪

よろしくお願いします。

◆ご挨拶    Comment(3)   TrackBack(0)   Top↑