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「 ◆「ア」行の作者→有川浩 」 の記事一覧
2007.08.20 Mon
『図書館内乱』
図書館内乱
図書館内乱
posted with amazlet on 07.09.03
有川 浩
メディアワークス (2006/09/11)

「うわズルイ!何この展開!!」
主人公の笠原郁風に読後の感想を書いてみました(笑)
前作『図書館戦争』(感想はコチラ)に続く“図書館シリーズ”第2弾である今作、
一言で表現するなら“ベタ甘”です。
前作もいい加減甘かったですけども、今回はさらに・・・!

出版物を検閲し厳しく取り締まる“メディア良化委員会”vs市民の読む権利を守る“図書館隊”
という構図はそのままですが、今回は抗争(ドンパチ)場面はほとんどなく
「内乱」というだけあって、図書館隊内部(隊員それぞれ)の家族関係や恋愛模様に
スポットを当てたストーリーになっていました。

戦闘員であることを両親に隠したままの郁が、職場を訪ねてきた両親を相手に奮闘したり、
あらぬ容疑で良化委員会に軟禁された小牧教官が、耳の不自由な幼馴染との恋を貫いたり、
美人で頭脳明晰・コワイものなしに見える柴崎が、対人コンプレックスに思い悩んだり、
図書館界のサラブレットである手塚とこれまた優秀な兄との確執が表沙汰になったり・・・。
これらの事件すべてに、図書館隊員同士の結束があり、友情や信頼関係が絡まり合うわけです。
そして最後は、手塚兄の策略が徐々に明らかになり、郁が査問委員会に呼ばれ
さらには遂に「王子様」の正体を郁が知ってしまう!!(・・・ていうか、気付くの遅すぎだよアンタ)
といった怒涛の展開です。
ここで「To be Continued」なんて言われたら、冒頭の一言に尽きますよ、まったく。

途中までは正直、胸焼け寸前。何度か読むのを止めようかなと思ったんです。
郁と堂上教官なんてもう、お互いに意識しまくりの感情だだ漏れ状態で
ツッコまずにはいられないベタ甘会話炸裂。
小牧教官と幼馴染の毬江ちゃんの恋の展開もかなりストレートだし、
もともと恋愛小説が苦手なもんで、もう当分このシリーズは遠慮しようかなぁ・・・と思ったくらい。

でも最後の2章(柴崎と手塚兄弟)のあたりはわりと良かった。
そりゃあ、美人に対する同性からの嫉妬だとか、
出来のいい兄に対するコンプレックスとかいうモチーフは
使い古された「ベタ」の王道なんですけど、ちゃんと人間の内面が描かれていたなぁと思います。
私自身が柴崎&手塚が好きだからかなー。
あとは(ちょっと影が薄くなっちゃいましたけど)、週刊誌における未成年者の実名報道だとか
個人による特定の本への辛辣レビューが引き起こす諸問題とかも取り上げられていて
ちゃんと考えさせられる部分も残していたと思います。

そして最後に一言。
「ベタ」って強い。続きを読みたくさせる力をすごく持ってます。
うーん、ベタ恐るべし!!(褒めてます)
というわけで、第3弾の『図書館危機』も既に図書館に予約済です。
ああ、作者の術中にまんまと嵌っているような気がする・・・。(苦笑)
  
(2007年8月20日読了/☆3.5)
  

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2007.06.30 Sat
『図書館戦争』
図書館戦争
図書館戦争
posted with amazlet on 07.07.19
有川 浩
メディアワークス (2006/02)

昨年かなり話題を集めた「図書館シリーズ」の1作目。
「メディア良化法」なるものがいつのまにか施行された日本。
公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まるこの法律により、
国(が有する機関=メディア良化委員会)からの検閲が制度化され、
出版物の販売が厳しく取り締まられるようになる。
図書館は、メディア良化委員会からの不当な弾圧(暴挙)に対抗し、市民の読む権利を守るべく
独自の防衛隊を保有している、という設定です。

訳のわからない法律がいつの間にか成立して、
政治に無関心な国民やむ責任なマスコミが後からパニックっていうところまでは
現代日本でもじゅうぶん想定できちゃう事態だけれど(それもオソロシイ・・・)
だからって図書館が完全に武装して、ドンパチやって負傷者まで出ちゃう世の中なんて
絶対にあり得ないし、そもそも何故そこまでして本を検閲するのか(政治的なこと?)
その辺りの強い動機は書かれていないので、最初のうちは頭の中が「???」なわけです。

しかし、そんなことはまあいいか・・・とつい読み進めてしまうパワーがこの本にはあるのです。
堅苦しいこと考えずに、この図書館防衛隊の内部で巻き起こるドタバタや人間模様にだけ
目を向ければいいのです。(ていうか、そっちがメインです)

主人公の笠原郁は、恵まれた身体能力と瞬発力を活かして、図書防衛隊員の研修中。
高校の時に自分と大事な本を検閲から救ってくれた王子様に憧れて、防衛隊員を目指したのだが、
指導教官である堂上にはやけに厳しくあたられ、衝突ばかり。
そんな郁が、女性としては初めて、エリートだけが集まる特殊部隊に配属されることになる。
堂上とその友人でもある小牧教官、そして超優秀な同期の手塚と共に班を組み、
日々の任務を遂行する中で郁が次第に成長していく・・・というストーリー。

もうね、読み始めた早々に「その王子様ってまさか・・・」ってなもんですよ。
読者には分かりきってるのに、とにかく単純で真っ直ぐで純粋でド根性の主人公・郁は
ただひとり突っ走ってて、すぐ近くにいるその存在にまったく気付かない。
・・・まあよくある流れです。ベタです。なんというか、かなり少女マンガ的世界。
で、堂上教官がまた、普段はぶっきらぼうで自分にも他人にも厳しいんだけど、
いざというときは郁や仲間を守る熱い男。
しかもそれを他人に悟られまいと不器用に振舞ってるのがカワイイ(笑)。
そんな堂上&郁にすかさずツッコミを入れ、正論で組み倒すという小牧もナイスキャラだし、
郁の友人で、美人で頭が良いけど毒舌炸裂な柴崎も図書館内部の情報通としていい仕事してるし
とにかく出てくるキャラクターがみんなイイんです。だから成り立ってる。

文章としてはとても軽いです。軽くて、多い。
セリフとト書きの境界があやふや、というのかな・・・。
郁の「うわー」っていう気持ちがセリフじゃなくて地の文章に踊っていたり
各登場人物の言動の根拠みたいなものがいちいち説明されすぎてて、ちょっと気になりました。
もっと読み手に想像させればいいんじゃない?って思った。 

でも、ツッコミたい要素は色々あるけれど、それを超えて
登場人物たちの繋がりとか躍動感とか、ストーリーに見せ場を設ける上手さとかが光っていて
読者を楽しませるエンターテイメントに徹しているのがいいなと思ったし
おそらくそれが多くの人に支持される理由なのかなとも感じました。
なんだかんだ言いながら、続編も読みます!!

(2007年6月30日読了/☆3.5)
  

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2007.04.12 Thu
『空の中』
空の中
空の中
posted with amazlet on 07.05.17
有川 浩
メディアワークス (2004/10/30)

SFというか怪獣ものというか自衛隊ものというか、
とにかく普段はあまり手に取らないタイプのお話。
書評ブログやSNSで評判が高かったので読んでみました。
クラゲに似た正体不明の生き物を発見した高知の高校生(瞬と佳江)、
同じ頃に四国沖で発生した航空機事故の調査員と航空自衛隊のパイロット(高己と光稀)。
2つのストーリーが並行して進み、交錯していく展開の中で
空の中に潜む正体不明の存在と人間のと対話を通じて、大切な何かを思い出させてくれます。
間違ってしまったこと。謝らなければならないこと。過ちを思い知ること―。
非現実的な設定の中にしっかりと筋が通っていて、読後は大変スッキリしました。
また2組それぞれの恋模様もかなりベタではありますが、ちょっとキュンときました。

(2007年4月12日読了/☆3.5)
 

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