私の本棚。読了本の感想等をぼちぼち綴ってマス♪
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ぴのこ

Author:ぴのこ
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「 ◆「マ」行の作者→その他 」 の記事一覧
2008.01.30 Wed
『厭世フレーバー』
厭世フレーバー厭世フレーバー
(2005/08/03)
三羽 省吾

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*感想は後ほどUP

(2008年1月30日読了/☆3)
  

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2007.12.12 Wed
『でかい月だな』
読み終えた後、私の心の中に尾崎豊が流れましたです。
「僕が僕であるために〜勝ち続けなきゃならない」と。
傷つくことに臆病なくせに、傷つけることには麻痺している思春期世代の
いろんな側面がたくさん詰まった、やるせなさと爽やかさを感じさせる作品。

でかい月だなでかい月だな
(2007/01/06)
水森 サトリ

商品詳細を見る

あらすじ:
主人公の幸彦(ユキ)は中学2年生。
美しい満月の夜、親友だと思っていた綾瀬に、突然崖から蹴り落とされる。
命は取り留めたものの、右足に大怪我をしてしまい、大好きだったバスケをできない体になる。
怒り戸惑う家族や周囲をよそに、気丈に振る舞って日常生活に戻るユキだが
彼の心にはポッカリ穴が開いたままだった・・・。
そんなユキの前に、二人の変人科学オタクの秀才・中川と
邪眼を持つオカルト少女・かごめ、そして「やつら」が現れて―。


親友に崖から蹴り落とされる・・・なんていう
ものすごくショッキングな出来事で幕を開ける本書ですが、
暗くてドロドロした、重たーい展開にはなりません。
それは、この歳の男の子がこんなに強いものなんだろうかと訝しく感じるほど
気丈に日々を過ごすユキがそうさせるのだけれど、
やがて、心に圧し掛かる重さに彼自身が気付かないフリをしていたかったのだ、
と知ることになります。
ユキは賢くてひねくれたところのない、まっすぐな男の子だけど
その分だけ「自分に非は無かったのか」「どうして綾瀬は何も言わずにあんなことをしたのか」
と深く考え続けてしまう。
憎んでしまえればラクなのに、憎むことができない。怒りの持って行き場が見つからない。
そんな自分に押しつぶされそうになる脆さと必死に戦う。
その姿が何だかリアルで、ああそうだよなーそういうものなんだろうなーと
すごく感情移入できました。

あらすじに書いた「やつら」というのは
そんなユキの心の弱い部分が見せるものの象徴として表れる、ややSF的要素なのですが
うーーん、私はここにあまり力を入れなくても良かったのではないかという気がします。
(ラストでユキが綾瀬に会いに行くきっかけとして
 その「やつら」の存在があるのでまあ全否定できないんですが・・・)

ユキが復学して出会う中川君という男の子やかごめちゃんという女の子のキャラクターが
すごくよく立っているので、彼らとのやり取りを通じてユキが変化していく部分とか
綾瀬との決着に向けてユキの心が揺れる部分だとか、
それだけでもじゅうぶん読ませられたのではないかな・・・。
特に良かったのが中川君の存在。
科学という揺るぎようのない世界に没頭しながら、
すごく非現実的なことに真面目に取り組む彼のひと言ひと言が
ユキの心の隙間というか波長にピッタリはまっていく様子が心地よかった。
何かを否定することは簡単だけど、ちゃんと受け止めて信じてみればいいんだよって
ユキや私たちに教えてくれているような気がした。
キャベツでバスケをするシーンなんてジーンとしました。中川君、立派すぎるー。(萌え)

そしてラスト。
今まで目を背けていたものに自分でケリをつけたユキ、
2人とって決して消すことのできないもの、
綾瀬が一生背負い続けなければならないものを認めた上で
これから先のことを見据えるその様はまさに
「正しいものは何なのか それがこの胸に解るまで」と叫ぶ
尾崎の歌の世界のようでありました。(もちろん、いい意味でね)
私たちより下の世代に読んでみてほしい、佳作だと思います。

(2007年12月12日読了/☆4)
   

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2007.09.01 Sat
『俳風三麗花』
俳風三麗花
俳風三麗花
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三田 完
文藝春秋 (2007/04)

何を隠そう、私の将来の夢は俳句を嗜むことなんです。
季節の移ろいや目に映ったものを、限られた字数で表現するという
潔さと滋味深さに昔からとても憧れております。

さて第137回直木賞候補作にもなったこの小説には、
とある句会に集う3人のうら若き女性が登場します。
良家の子女で真面目でおっとりしているちゑさん、
しっかり者でモダンガールの医学生・壽子さん、
明朗闊達でちゃきちゃきとした芸者の松太郎さん。
性格も境遇も異なる彼女たちが、俳句を通じて互いの感性を確認し合い友情を深めていく様子、
三人三様の恋模様、故人を偲ぶ思い等が、
見事なまでの俳句に乗せて大変上品に描かれていきます。

月に1度の句会は、主宰者である暮愁先生から2つのお題(季語)が出され
それぞれが1つのお題につき1句ずつを提出。
詠んだ人の名を隠して発表し、いいと思ったもの3作に票を投じる
(うち最高のものを「天」とする)というシステム。
票の入った句は代表者に読み上げられ、自分の句が読まれた時点で名乗りをあげ、
最後に全員で合評をおこないます。
句会には暮愁先生と3人の女性以外にも4人の男性がおり、
計8人の句が作中に挿入されているのですが、その俳句のひとつひとつに、
各人の持ち味や性格がきちんと反映されていて、これがもう何とも言えず素晴らしい!
(例えば暮愁先生はちょっとトボケた味、壽子さんはハイカラ、という感じ)
また、俳句を詠む際の手法についても多様で
ちゑさんは詠みたい風景を思い起こして一句をじわじわ推敲していく人だし、
壽子はさん思いついた句を大量に書いてみて、絞っていくタイプ。
松太郎さんは直感で言葉を選び、暮愁先生は会が始まる前の雑談の中から即興で作ったりする。
他にも誰かに対する挨拶句だとかいただいた気持ちに対する返しの句だとか本当に色々あって
あらためて俳句の世界の奥深さにウットリとしました。

新たに句会に入ってきたセクハラ野郎を、暮愁先生の機転でこらしめる第4章の痛快さや
人生の大きな転機を迎えようとしている暮愁先生の苦悩や
先生を慕うちゑさんの葛藤を描いた最終章の切なさ、
さらには松太郎さんや壽子さんの失恋なども絡めてあり、
1冊の中に漂う季節感とともに、とてもメリハリの効いた構成になっていたと思います。

初読みの、しかも直木賞候補になるまで全然知らなかった作家さんだけど
この作品は本当に読んで良かったなぁと思います。
ちょっと高いけど、是非とも買って手元に置いておきたい!
そして、私も暮愁先生に俳句を習いたい〜〜!!

(2007年9月1日読了/☆4.5)
   

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2007.07.26 Thu
『花宵道中』
花宵道中
花宵道中
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宮木 あや子
新潮社 (2007/02/21)

江戸の花街・吉原の小見世で逞しく生きる遊女たちの生き様、
そして彼女たちの決して叶わぬ一途な恋が丹念に描かれる五篇の連作短編集。

何よりもまず圧巻なのはその構成の緻密さ。
女郎・朝霧の恋の結末を描いた表題作「花宵道中」、
朝霧の姉女郎にあたる霧里と実弟の生い立ちを明かす「青花牡丹」。
そして朝霧が育てた妹女郎・八津の恋を綴った「十六夜時雨」
といった具合に、代々の遊女たちのドラマが交互に続き、息つく暇もなく魅せられます。
朝霧の恋の転機となった事件の真相が「青花牡丹」で明かされるといった仕掛けも実に見事です。

実はこの表題作は 「女による女のためのR-18文学賞」の大賞受賞作。
それだけに官能的で淫靡な場面ももちろんあるけれど、性描写のくどさはありません。
身体ひとつで生き抜く術として客に施す行為も、
真剣に愛した人と結ばれて交わる行為も、彼女たちにとってどちらも嘘ではなく、
その刹那に溢れる悦びや哀しみがエロチシズムよりも先に胸に迫ってくるから。

吉原の花たちは、恋に落ちてしまったその瞬間に散ることを覚悟します。
愛のために死ぬことを選ぶ者、生き抜くことを選ぶ者、
どちらも強い思いがみなぎっていて美しい。
愛する人に抱かれながらも“縋ってしまうから、優しくしないで”と願う遊女の切なさが
ずっしりと胸に染みてくる秀作でした。

(2007年7月26日読了/☆4.5)
 

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2007.05.16 Wed
『スコーレNo.4』
スコーレNo.4
スコーレNo.4
posted with amazlet on 07.06.13
宮下 奈都
光文社 (2007/01/20)
売り上げランキング: 2737

主人公は骨董品店の長女・麻子。 
すぐ下の妹・七葉とは小さい頃から何をするにも一緒、という程の仲良し姉妹だったが、
七葉の可愛らしい容姿、欲しいものは欲しいと主張できる性格、そして時にはその名前さえも
麻子にとっては「自分は妹より何もかも凡庸だ」というコンプレックスの源になっている。
そのせいで、家族の中でも友達との関係でも恋愛でも一歩引いて頑なになってしまって、
「諦め」っていうのかな・・・自分には、強く何かを「欲しい」と思うことや
何かに「執着」する気持ちが欠けているんだと思い込んでしまう。
その描写が序盤はちょっとまどろっこしいというか、抑揚がないなぁと思ったんだけど、
途中からテンポも良くなってすごく共感できたし、麻子を応援したくなりました。
そして、大人になった麻子は、自分自身ですら気付いていなかった自分を知り、
やがて自分を解き放つ扉を見つけます。
骨董品に囲まれて育った環境、愛情溢れる両親や躾の厳しい祖母との暮らし、
そして妹への感情・・・。そのすべてが麻子という女性を形成し、彼女の土台となっていて
最終章、就職してから生き生きと働きだす彼女のしなやかさは爽快ですらありました。
結末もすごく素敵だった!
欲を言えば、七葉ちゃんの心の機微をもう少し描いてくれたら奥行きが出たかなぁとは思いますが。
読後に何とも言えず優しい気持ちになれる、とてもいい作品でございました。

(2007年5月16日読了/☆4)
 

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